確かにＦＤＡ（米国食品医薬品局）による発表はありましたが、因果関係など、具体的なことはまだわかっていません。服用中、もし心配になるようなことがあれば、すぐに耳鼻科を受診されることをおすすめします。

ED治療薬はいわゆる「媚薬」ではありません。勃起の促進薬であって、「その気」にさせる薬ではないのです。ですから服用することで性的興奮が高まったり、急にセックスしたくなったりすることはありません。

違います、誤解されやすいのですが、バイアグラ・レビトラ・シアリス・シルデナフィル・バルデナフィル・タダラフィル等のED治療薬はペニスを直接勃起させる薬ではありません。勃起を阻害する体内酵素を弱めることで、「勃起しやすくなる」薬です。ですから、どんな状況でも勃起が起きるのではなく、性的興奮・性的刺激を感じ取る「感度」が高くなると理解した方が良いと思います。

精子そのものには無関係です。ED治療薬には子供に影響するような成分は入っていないので、心配する必要はありません。

週2回飲むにしても、月1回飲むにしても、ED治療薬はいずれもかなり高い・・・確かにその通りかもしれません。しかし、対効果を考えると、市販されている精力剤やドリンクよりはかなり安いという方が多くいらっしゃいます。

また、ED治療薬は販売されている用量の範囲であれば、用量調節の為に割って飲んで頂いても構いませんので、錠剤を半分にして飲めば、値段を半分にすることができます。但し、いずれの錠剤にも刻み目が入っていないので、錠剤カッターを利用されると良いでしょう。

※錠剤カッターは丸善クリニックでもご用意しております、必要な方はお申し付けください。※税込価格550円

ED治療薬はファンファーレとともに魔法のような効果を発揮し始めるわけではありません。早くても15分後、普通は30分～60分くらい経ってから、－「性的な気分の高揚、あるいは興奮があれば」－ 最初は下腹部がウズウズ張った感じがし始めて、ごく自然な感じで勃起が始まります。

すぐにペニスが萎えてしまうのではないかと心配する必要はありません。お薬の効果は、大多数の男性がゆっくりと性行為を堪能するのに十分な時間効きます。また薬の効果は、一度オーガズムを感じたから終わり、とは限りません。薬の成分が血液中に留まっている限り、勃起を助ける作用は続きます。

相手にもその気があれば、もう一度できる場合もありますし、「これがED治療薬の最も価値ある恩恵だ！」とおっしゃる方が、比較的若い方々を中心に大勢いらっしゃいます。使用した方の実感として、 「普段よりもはるかに固い勃起が得られる」 「性交の時間が長くなり、体位を変えても勃起が続く」 「かつて当たり前だった二度目の勃起が比較的短時間のうちに得られる可能性が高い」 「セックスの間、ペニスの性感が高まる」等と言われる方が多いようです。

どんなお薬でもある方々には副作用が出るように、ED治療薬にも副作用が出る方がいらっしゃいます。製薬試験中に一番多く報告された副作用は、「顔のほてり、頭痛、胸のつかえ、色覚異常（色彩知覚の変化、光の知覚の変化、視界のぶれ）」等ですが、殆どの場合それらは症状は軽く、一過性です。また、本Q&Aの冒頭にあるように、FDA（米国食品医薬品局）により突発性難聴になる恐れがあるとの発表もありました。因果関係についてはまだ不明ですが、服用中、もし心配になるような事があればすぐに耳鼻科を受診されることをおすすめします。

ED治療薬の処方を受ける前に、今現在服用しているお薬（病院で処方されたお薬、薬局で購入したお薬など）を必ず医師にお伝えください。シルデナフィル・バイアグラ・レビトラ・シアリスともに、一緒に服用してはいけないお薬があります。 中には命に関わる重大な副作用もあります。自己判断せず、必ず医師にご相談ください。

ED治療薬と一緒に服用してはいけないお薬

大丈夫です。しかしながら、深酒はあまりよくありません。飲みすぎには注意してください。この他、風邪薬や鎮痛剤と併用しても構いません。

必ずしもそうとは言えません。精神状態やその時の体調にもよりますし、性的興奮を起こす様な環境、前戯、ムード、安らかな気分等、効果は薬以外の要因に大きく左右されます。”パートナーとけんかの最中”などというのは、当然良くありません。効果の程度はその都度違うこともあります。

ED治療薬の目的である「勃起促進」と「早漏防止」とでは、そのメカニズムが全く違います。しかし実際はED治療薬で早漏防止の効果があるという方が多いです。

普通の胃薬や風邪薬と同じように、常温（15℃～30℃）で保存して頂ければ大丈夫です。お薬はシートから取り出して、別の容器等に入れて頂いても構いません。但し、湿気のある所は避けた方が良いでしょう。 また、錠剤を割って服用した場合、残りのものは酸化しやすいので、早めに使い切ってください。

有効期限はもちろんあります。普通、処方時から最低1年以上はありますが、処方される個々のお薬についての有効期限を確認されたい場合は、処方時にお申し出ください。

薬が有効に作用するには、何らかの精神的、あるいは肉体的な性的刺激は必要です。しかしこの場合は、EDを恥ずかしく感じる状況を避けるためにしばらく欲望を努めて抑えてこられたということですので、ED治療薬を試してみる価値があると思います。

「お薬の効果が出るかもしれない」と思うことで、抑圧していた感覚が戻ってくるのを容認できれば、性欲を取り戻すのには必要な衝動が起きてくる可能性が高いからです。

ED治療薬はあくまでも勃起不全の治療薬で、その他の疾患に対する効果はありません。もちろん、エイズ等の性行為感染症を防ぐ効果もありません。薬を服用することによって、その効果で長時間勃起できるようになると、自ずとセックスの回数や時間が長くなることが予想されますが、その際にペニスの粘膜部や女性の膣内がすり切れて小さい傷ができたり、出血することが考えられます。

ご存知のように、エイズ等の感染症は血液を媒介して感染することが多いのですが、ED治療薬自体に感染症を助長するような作用はないものの、出血を伴うことによって感染がおきる可能性があります。 エイズ等の性行為感染症にはコンドームを着用する等の予防が必要なので、必要に応じてコンドームを使用される事をお勧めします。

また、どうしても出血してしまうような場合には、ペニスや膣粘膜がすり切れて出血しないよう、潤滑ゼリー等を使って、出血の予防に努めるのが良いと思います。

ED治療薬の効果や作用についてよく知ることも大切ですが、それだけでなく、エイズや他の性行為感染症に対する正しい知識も身につけて始めてより良きセックスライフが送れると思います。