性感染症は
- セックスで移る病気です。
- 性器ばかりでなく全身の症状が出る事があります。
- 症状が無いために気付かずに人に移してしまう事があります。
- 治療せずに放っておくと重症になったり、将来、不妊症、早流産の原因になったりする事があります。
代表的な性感染症は
- クラミジア感染症
- 淋菌感染症
- 性器ヘルペス感染症
- 梅毒
- 尖圭コンジローマ
- トリコモナス感染症
- ケジラミ 等です。
※HIV感染(エイズ)も性感染症のひとつです。感染だけでは症状が出ないので、検査を積極的に受けましょう。
最近のSTD(性感染症)の蔓延について
性感染症は、基本的には誰でもかかる可能性のある病気です。最近は、学校の教科書にも丁寧な記載がされる様になってきましたが、若者から大人までかなりの割合の人々が未だに性感染症は「他人事」「自分は大丈夫」「別世界」と考えていると思います。しかし、中高年を巻き込んだポルノ被害や「JKビジネス」が地方まで波及している状況を見ると、若者の性の商品化は近年、むしろエスカレートしている様に思われます。
性感染症とその予防を知ることは、性的行為に関わる知識を得ることであり、その個人にとってどのような手段、内容での情報提供が適切であるかは、年齢や性別、家庭環境や生育地域の文化、宗教習慣等、色々な要因が関係しています。性感染症の増加は、恋愛を含め人との関係性を「面倒」と感じる若者が増えている事実も反映していると思います。
性感染症の蔓延は、世界的に大きな社会問題になっており、性的接触によって、この瞬間においても多くの新規患者が発生していると思われます。性感染症の注目度は、症状があるか、診断、治療が可能か、後遺症が残るか、生命に関わる疾患か等で規定されると考えられます。日本でも、HIV感染症や、特に近年は梅毒患者の急増に注目度が傾いており、その注目度の高さからパートナーへの情報提供や、受診、治療まで比較的容易に進められていると思います。
一方、生命に関わることがほとんど無く、一部を除き自覚症状にも乏しい尿道炎や子宮頸管炎は注目度が低く、パートナーの受診どころか患者からパートナーへの告白すら行われない可能性も十充分存在すると思われます。そのためピンポン感染(片方が治っても又、パートナーからうつってしまう。そして又、逆方向の感染を繰り返すこと。)も珍しくなく、さらに患者やパートナーから他者へと拡散していくと推察されます。
性感染症蔓延化の原因の一つとして、感染源となったパートナーに対する治療の不徹底があリ、性感染症にかかった人自身の治療のみならず、そのパートナーの治療も大変重要であるということです。
パートナーには可能な限り受診してもらい、検査、治療を行うのが基本です。一般的に症状が乏しいとパートナーは積極的に受診せず、パートナーの受診率は低くなりますが、私共は、お互いの性の健康を確認し、健康なセックスができるよう治療する事を目標としています。
性感染症検診で最も陽性率が高いのは、女性の性器クラミジア感染症です
現在、性感染症検診で最も陽性率が高いのは、女性の性器クラミジア感染症です。厚生労働省の性感染症報告によると、女性の性器クラミジア感染症報告数は、2002年をピークに減少しています。しかし、年齢(5歳階級)別にみると20~24歳が最多の33.2%、0~29歳では70.8%となっており、同年の男性の性器クラミジア感染症最多報告数が25~29歳で、0~29歳では43.7%であることとと比較しても女性の性器クラミジア感染症は若い世代に集中していると言えます。
かつて、性行為経験のある10代女性のSTD(性感染症)検査による調査を実施したところ、全体の55%に何らかの感染があリ、中でも38.8%がクラミジア感染症の既感染者と最多でした。また、これらのSTDと生活習慣、性行動との関連では、SEX相手の人数、SEX相手の年齢、不特定の相手とのSEX、喫煙、飲酒、外食回数等との関連がみられました。同様の調査は、他の複数の研究者からも報告されており、10代、20代の女性の性行動、日常生活、行動によっては今後も若い世代の性器クラミジア感染症が増加する可能性があると思われます。
女性の性器クラミジア感染症は、自覚症状が少なく、治療の機会を逃したまま進行する事も多く、不妊症や早流産、低出生体重児、母子感染による新生児の結膜炎、肺炎の原因となるなど周産期(出産前後の時期)の母子の健康に多大な影響を与える疾患です。現在、女性の出産年齢のピークが30~34歳であり、25~39歳が80%以上を占める中、生殖年齢でもあリ、出産年齢に向かう10代、20代の性器クラミジア感染症が母子の健康を阻害し、さらには少子化を促進する原因となる事が危惧されています。
気になる症状が出たら、恥ずかしがらずに医療機関へ
性感染症を予防するには?
あなたの身体と大切なパートナーの身体を守るために、性交渉の時は必ずコンドームを使いましょう。不特定多数の人との性交渉を避けましょう。
性感染症かな?と思ったら
泌尿器科、婦人科、皮膚科を標榜している医療機関で、出来れば日本性感染症学会認定医の資格を持った医師のもとで検査、治療することが望ましい。正しく検体を採取しないと病気にかかっていても検査結果が陰性に出る事がありえます。
感染症にかかってしまったら
同じ医療機関で検査、治療をして、ふたりとも完全に良くなった事を確認してからセックスはOKとなります。一方がまだ治っていないとピンポン感染と言って、また、もう一方にうつして再感染する可能性があるので、ふたりとも完全に良くなった事を確認する事が一番大切です。
泌尿科専門医による性感染症検査
性感染症は早期に発見することが大切です。放置すると流産、不妊の原因になる場合もあります。感染について不安がある時は検査を受けましょう。
手軽な検診キットも流通していますが、自分で採取する検体の取り方が不適当だったり、検査の不手際による見落としもあります。また、最適の治療、治癒判定等は普通、専門医でないと難しいです。
あなたやあなたの大切な人を守るためにも泌尿科専門医による検査を受けましょう。
性感染症検診(STD検診)
性感染症の検査は、症状がある場合には保険適用ができますが、症状がない場合は自費となり下記の費用がかかります。
自費の場合、検査は匿名・偽名・暗証番号等でも可能です。 検査の結果が陽性だった場合は保険治療にすることもできますし、保険を使いたくない場合は自費での治療も可能です。
ご家庭や職場の都合等で保険を使いたくない場合は、遠慮なくご相談ください。
丸善クリニックの玄関を入って左側の保険診療スペースへ進んで頂くと、受付向かいのテーブルの上に「STD(性感染症)検査申込書」と書いた封筒がありますので、中の用紙へ希望する検査項目をして頂いて、受付へお出しください。
ほとんどの検査は検尿と採血検査で、所要時間は10分程度です。(女性の場合、子宮頸部の細胞採取が必要なものがあります。)
検査の予約は必要ありません。
検査終了時に用紙をお渡ししますので、検査日から1週間後以降にその用紙をお持ちください。完全に封をした結果を直接お渡しいたします。
検査項目 | 検査費用 |
---|---|
エイズ抗体検査 ※感染機会から2ヶ月以上経過後でないと判定できません。 |
4,800円 |
梅毒検査 ※感染機会から1ヶ月以上経過後でないと判定できません。 |
5,300円 |
エイズ・梅毒 セット検査 | 9,800円 |
クラミジア感染症 ※男性は尿、女性は普通、子宮頚部(子宮頸管スメア)の細胞採取が必要です。ただし、女性で急性膀胱炎の症状だけの場合は、尿検体の検査で判定が可能です。 |
6,800円 |
淋菌感染症 ※男性は尿、女性は普通、子宮頚部(子宮頸管スメア)の細胞採取が必要です。ただし、女性で急性膀胱炎の症状だけの場合は、尿検体の検査で判定が可能です。 |
6,800円 |
クラミジア・淋菌 セット検査 ※男性は尿、女性は普通、子宮頚部(子宮頸管スメア)の細胞採取が必要です。ただし、女性で急性膀胱炎の症状だけの場合は、尿検体の検査で判定が可能です。 |
9,200円 |
ヘルペス抗体検査 | 6,300円 |
血液型ABO・Rh | 5,700円 |
男性ブライダル検診 (血液型ABO・Rh、B型肝炎、C型肝炎、梅毒、エイズ、ヘルペス) |
18,600円 |
女性ブライダル検診 (血液型ABO・Rh、B型肝炎、C型肝炎、梅毒、エイズ、ヘルペス、風疹) |
21,600円 |